
α-リノレン酸
現代病を予防する脂肪酸
α-リノレン酸はn-3系列の多価不飽和脂肪酸で、nI6系列のリノール酸と同様に人間の体内で合成することができず、食品から摂取しなくてはならない必須脂肪酸(不可欠脂肪酸)です。
しそ、えごまなど緑の濃い野菜に多く含まれます。
体内に取り入れられると、EPA、DHAへと代謝されるため、αlリノレン酸をとることで、EPA、DHAのもつ機能も期待できるわけです。
リノール酸とは作用を抑制し合う関係
n-6系列の脂肪酸から体内でつくられるプロスタグランジン(ホルモンの一種)と、nI3系列からつくられるプロスタグランジンは、体内の作用を互いに抑制し合う場合が多いことがわかっています。
たとえば、アトピー性皮膚炎はリノール酸の過剰摂取によって発症する症状のひとつですが、アトピーなどアレルギー症状を解消するのに最も効果的な方法は、α-リノレン酸をとることです。生体内での作用を比較すると、n-6系列よりもn-3系列のほうに好ましいものが多くみられます。
リノール酸などn-6系列の脂肪酸の過剰摂取が問題になり、健康状態を良好に保つためには、なるべくこのn-3系列をふやすことが求められています。「第六次改定日本人の栄養所要量」(2000年より使用)では、n-6対n-3の摂取比率は4対1が望ましいとされ、「日本人の食事摂取基準」(2005年より使用)でも、ほぼ4対1の摂取目標量が示されています。医師や研究者のなかには、n-3系列の比率をさらに高めて1対1にするべきだという人もいます。
がんの発生を抑制する
ラットに2種の強い発がん物質を投与し、3群に分けて大腸がんの発生状況を比較した実験で、αlリノレン酸の多いしそ油を摂取させた群のがん発生率は18%でした。リノール酸の多いサフラワー(紅花)油摂取群は47%、中間の大豆油摂取群では41%と、しそ油にくらべてはるかに高率で、α-リノレン酸には大腸がん抑制作用があることを示しています。
また、乳がんの発生率はほかの群の約3分の2、肺がんは約半数と、いずれも転移の割合ははるかに低い数字でした。
脳・神経系のはたらきに関与する
α-リノレン酸の重要性が認識されるようになったのは、1980年ごろのことです。欠乏した場合に神経系の異常があらわれることがわかりました。
ラットによる実験ではα-リノレン酸が学習能力を向上させるという結果が確認され、これは脳に高濃度に存在するDHAの脳細胞を活性化させる作用によるとみられています。
このほか、α-リノレン酸には高血圧を予防する効果があることも証明されています。
研究が進むα-リノレン酸の効用 α-リノレン酸などのn13系列の油には、ほかにも人体に有効な作用がいろいろあることが報告されています。
たとえば、抑うつ症などの精神症状の原因は、n-3系列の脂肪酸の欠乏だとする説があります。nI3系列の脂肪酸はからだに不可欠なプロスタグランジンの原料となるばかりでなく、B群のビタミン類や補酵素類がからだの機能をコントロールする物質をつくるのを助け、神経細胞、脳細胞にエネルギーと栄養を補給するためというのがその理由です。
また、リウマチ性関節炎、アルコールの過剰摂取による肝臓障害やアルコール依存症にも効果が認められています。
α-リノレン酸の作用
1 |
体内でEPA、DHAを合成する
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がん細胞を変化させ、増殖を抑える
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3 |
血圧を下げる
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血栓を解消し、血液の流れをよくする
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過剰症 特にないが、脂質は高カロリーなので、摂取エネルギー過剰にならないように注意したい
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