【脂質・脂肪酸】脂質の種類や効果

【脂質・脂肪酸】脂質の種類や効果について。脂質(脂肪酸)は生活習慣病、コレステロールに関係しています。種類や効果をおさえコレステロールを抑えよう

脂肪酸

脂肪酸は動物性のバターや牛脂(ヘット)、豚脂(ラード)、植物性の大豆油、菜種(キャノーラ)油、サフラワー(紅花)油、オリーブ油といった「油脂類」に多く含まれます。
これらのほかに、穀類、豆類、魚介類、肉類、卵、乳類などに含まれる脂質に脂肪酸は存在し、食品として摂取されるのは、この「見えない脂質」 のほうが大きな比重を占めています。
「見えない脂質」の割合は少しずつふえ、2001年以降、脂質摂取量の80%近くになっており、気づかないうちに脂肪をとりすぎる原因となっています。

脂肪酸は脂質の主成分

脂肪酸は脂質のおもな構成成分で、炭素、水素、酸素からできていますが、炭素の鎖に水素が結合し、両端に酸素がたまっています。結合のしかたの違いで系列が分かれ、体内でのはたらきも違ってきます。
飽和脂肪酸は炭素鎖が水素で飽和され、不飽和脂肪酸は水素と結びつかずに炭素同士が二重結合している部分があります。
二重結合が1か所のものが一価(モノ)不飽和脂肪酸、2か所以上のものが多価(高度)不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸には、全部でn個ある炭素原子のn末端から何番目が二重結合をしているかで、n-9(n末端から9番目。オレイン酸)、n-6(n末端から6番目が最初の二重結合。
リノール酸など)の3系列があります。
n-6系列とn-3系列の脂肪酸は人間の体内で合成することができず、食物から摂取しなければならないため、必須脂肪酸と呼ばれます。
必須脂肪酸が不足すると、皮膚炎や子どもの成長障害などがおこることがあります。
食品には各種の脂肪酸が肪には飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸が、魚の脂肪にはn-3系列の多価不飽和脂肪酸が多く、種実や穀類は種類によってさまざまな脂肪酸を含んでいます。
脂肪酸の系列によってまったく正反対のはたらきをする場合も多いので、いろいろな食品をバランスよく摂取することが必要です。
脂肪酸は体内で別の系列に変化することはありません。

生活習慣病をふやさない脂質のとり方

「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、脂質の摂取量をまず脂肪エネルギー比率(摂取総エネルギーに占める脂質由来のエネルギーの百分率)で示しています。
男女とも、18~29歳は20%以130%未満、30~69歳は20%以上25%未満、70歳以上は15%以上25%未満ですが、これはわが国のこれまでのデータや外国の状況を考慮して、病気にかかりにくい摂取量を示したものです。
日本人の脂肪摂取比率は従来、欧米に比べて問題は少ないとされてきました。
しかし、現在の日本人は、幼児から高齢者までの平均値をとっても、30歳以上の人の上限である25%を超えています。
肉類や加工品、ファーストフードなどを食べる機会の多い人は特に、自分の食生活を見直してみる必要がありそうです。
「日本人の食事摂取基準」には、このほかに飽和脂肪酸がエネルギー比率で、n-6系脂肪酸がエネルギー比率と重量で、n13系脂肪酸とコレステロールが重量で示されています。

健康志向の油脂

飽和脂肪酸のとりすぎ、多価脂肪酸のとりすぎ、あるいは脂質全体のとりすぎなどが問題視されるようになって、市販の食用油にも変化がみられます。
店頭には、風味だけでなく、健康を意識した油が各種並ぶようになりました。
サフラワー(紅花)油やひまわり油にみられる高オレイン酸タイプの油は、品種改良によって生まれたオレイン酸の含有率の高い種子を用いたものです。
多価不飽和脂肪警り所要量の多い一価脂肪酸のオレイン酸が苦で、これまでの高リノール酸タイプにくらべて酸化しにくいのが特徴です。
菜種(キャノーラ)油もオレイン酸を多く含んでいますが、これは従来の菜種油に含まれていたエルシン酸に健康上問題があることがわかったため、品種改良によってつくられた低エルシン酸タイプの油です。
また、脂質はグリセリン(グリセロール)に3つの脂肪酸が結合して構成されるものが多いのですが、脂肪酸が2つのものをジアシルグリセロールといいます。
ジアシルグリセロールは一般の脂質にくらべてからだの中で燃焼しやすく、体脂肪や血中の中性脂肪として毒されにくいという特徴をもっています。
中鎖脂肪酸は他の脂肪酸にくらべて、消化・吸収されやすく燃焼しやすい脂肪酸です。
植物ステロールは植物に含まれている成分ですが、コレステロールと化学構造が似ています。
食品から摂取されたコレステロールは十二指腸で水溶性の微細粒子に取り込まれ、小腸で吸収されますが、植物ステロールがコレステロールにかわって取り込まれるため、その分のコレステロールは吸収されることなく体外へ排出されます。
コレステロールを下げる油として市販されているのは、植物ステロールを主体とする油です。
オレイン酸、α1リノレン酸などの脂肪酸を多く含むピュアオイル(単体の油)が各種出回る一方、ブレンド(調合)された油脂にも、一価不飽和脂肪酸の多い油を高い比率で使ったものがふえています。
また、魚の脂肪に多いn-3系列のDHA、EPAを添加したソフトマーガリンなど、健康効果がよく知られた成分を加えた製品も出ています。

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